2008年10~11月
もう20年にもなりますか。テレビで枝雀寄席というのがあって、おなじみの喜六、清八が旅に出る噺がありました。多分枝雀さんがしゃべったのだと記憶しています。
道中、イナカ道のどこかの煮売屋で、調子のよい2人は主人をおちょくり倒して、最後は「じきさめ」という銘酒(迷酒?)で逆におちょくられるハメになるんですが、その煮売屋のあるイナカ道の情景がいかにも「ほわぁーーん」と、のんびりしていて、それはどんなとこやろ?と興味が湧いてきたのでした。その噺が「東の旅」で、お伊勢参りの旅シリーズの最初の噺でした。
お伊勢参りは、京都からですと、東海道経由で関から、津-松阪-伊勢に向かう道や、伊賀街道を通って松阪-伊勢に向かう道があり、大阪からは、暗峠や竹内峠を越え、初瀬街道を通った後、伊勢表街道または伊勢本街道を通る道があります。
東の旅シリーズの噺をざっと読んでみたんですが、安堂寺橋から始まり玉造、暗越奈良街道を通って奈良、榛原追分、三本松、鹿高(かだか、今の名張市にある)、明星(三重県明和町)を通っているようです。榛原追分で右行くと山で険しいので左に行ったとも書いてありましたので、近鉄に沿って(というのはおかしいが)伊勢表街道を通ったのでしょう。
ま、そんな先の話はともかく、第1話・発端の旅の話は、暗越奈良街道を通って奈良を過ぎたお昼ころまでというイメージです。ということは、煮売り屋は天理を越えて巻向あたりまで来たときの話なのか?しかし、熊野まで鯨を買いに行っているという話もある。そうならば、もっと山の奥か。、
まずは歩いてみて煮売り屋がどんなところにあるのか見てみましょう。
さて、一度、南生駒まで歩いてみて、旧街道はズタズタでした。結局古い道をさがしさがし、玉造から豊浦までは2回(部分的には3回)歩きましたので、地図をつくりながらご紹介します。結局伊勢まで行けるんだろうか?
参考文献:
「集成!読む上方落語 460演目」世紀末亭さん
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakugo51.htm
「米朝ばなし 上方落語地図」桂米朝 講談社文庫
副題